年収という重りと、毎日の心の余裕という重り。
給料が下がる転職は、この2つを天秤にかける決断です。
「給料下がったけど転職して良かった」と言える人は、実際どれくらいいるのでしょうか。
周りから「もったいない」と言われて、不安になるのは自然なことです。
本文では、年齢別のデータ、後悔する人に共通する4つの落とし穴、手取りで逆算する表を順に紹介します。
※本記事は広告(PR)を含みます。
この記事でわかること
- 転職で給料が下がる人の割合と、年齢別のデータ
- 給料が下がっても「転職して良かった」と思える4つの理由
- 後悔する人に共通する4つの落とし穴
- 「良かった」と「後悔」を分けるチェック表と、手取りの逆算例
- 下がったあとの立て直し方3ステップ
給料が下がる転職は約3割|厚労省データで見る年齢別の実態
「給料が下がる転職なんて、自分くらいでは」と感じていませんか。
結論から見ると、決して珍しいことではありません。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、転職入職者の賃金は、前職と比べて次のように変わっています。
- 増加した人:40.5%
- 変わらない人:28.4%
- 減少した人:29.4%(うち1割以上の減少は21.7%)
つまり、約3割の人が給料の減る転職を経験しています。
一方で、増えた人のほうが11.1ポイント多いのも事実です。
このように、下がる人は少数派でも、まれな存在ではないと分かります。
年齢別に見ると|50代前半までは「増えた人」が多い
年齢別に見ると、状況はさらに具体的になります。
表1:転職で賃金が変わった人の割合(年齢別・令和6年)
| 年齢 | 増加 | 減少 | うち1割以上の減少 |
|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 46.3% | 29.2% | 17.6% |
| 30〜34歳 | 46.1% | 24.2% | 16.3% |
| 35〜39歳 | 45.5% | 24.3% | 16.3% |
| 40〜44歳 | 45.9% | 29.0% | 21.2% |
| 45〜49歳 | 46.4% | 23.8% | 16.5% |
| 50〜54歳 | 39.0% | 28.2% | 21.0% |
| 55〜59歳 | 27.4% | 36.6% | 30.7% |
(出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」。割合は転職入職者全体に対するもの)
この表から読み取れるのは、次の2点です。
- 50代前半までは、どの年齢でも「増えた人」が「減った人」を上回っている
- 減少の割合は、55〜59歳で3割を超え、1割以上減る人も増える
前の職場を辞めた理由は、収入だけではない
さらに、前の職場を辞めた理由も見ておきましょう。
同じ調査では、
男性は「給料等収入が少なかった」が10.1%でした。
女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が12.8%、「職場の人間関係が好ましくなかった」が11.7%です。
つまり、収入だけでなく、働く時間や人間関係を理由に職場を変える人も多いのです。
収入より別のものを優先する選択は、データの面から見ても自然なものだと言えます。
給料が下がっても「転職して良かった」と思える理由4つ|年収ダウンでも幸せな人の共通点

給料が下がったのに「良かった」と感じる人には、共通する理由があります。
実際に、マイナビの調査(2025年4月)を見てみましょう。
対象は、地方移住転職やUターン転職の経験者600名です。
この人たちの年収は、平均で約80万円下がっていました。
それでも、64.3%が「転職して良かった」と回答しています。
なお、この調査は地方移住・Uターン転職に限った結果です。
すべての転職にそのまま当てはまるわけではない点には、注意してください。
では、年収が下がっても満足できる人は、何を得ているのでしょうか。
ここでは、代表的な4つを紹介します。
① 時間と体力に余裕が生まれた
残業が減ると、帰宅後の時間が一気に変わります。
夕食をゆっくり食べられる、休日に疲れを残さず過ごせるといった変化は、数字には表れません。
しかし、毎日の満足感には大きく影響します。
実際、給料の減少額より「取り戻した時間」のほうが価値が大きいと感じる人は少なくありません。
② 人間関係のストレスが減った
毎朝、出社前に胃が重くなる職場から離れると、気持ちの軽さが戻ってきます。
たとえば、上司の顔色をうかがう時間が減るだけでも、1日の消耗は大きく変わります。
なぜなら、人間関係のストレスは、休日にも引きずりやすいからです。
給料が下がっても、心が回復すれば「良かった」と思いやすくなります。
③ 仕事の内容に納得できるようになった
やりたい仕事に近づけた場合も、満足度は高くなります。
もちろん、未経験の職種に移れば、最初は給料が下がることがあります。
ただし、「この仕事なら続けたい」と思えるなら、収入の減少を受け止めやすくなります。
④ 将来の昇給や役割の広がりを見込めた
今は給料が下がっても、評価制度や昇給の仕組みが整っている職場もあります。
経験を積むことで、役割や責任が広がっていく可能性もあるでしょう。
ただし、これは入社前に仕組みを確認できている場合に限ります。
「そのうち上がるはず」という期待だけでは、後悔につながりやすくなります。
7つの工場を経験した立場から見ると、日々の消耗を左右するのは、時給の差よりも残業の長さや職場の空気だと感じます。
給料の数字だけでは測れない部分に目を向けることは、決して甘えではありません。
このように、職場を選ぶ基準は収入だけではありません。
残業や休みの取りやすさが気になる方は、次の記事もあわせて参考にしてください。
👉 関連記事:「残業代が出ない…」と感じたら読む|転職で得られる変化と後悔しない会社の選び方
給料下がったけど転職して後悔する人に共通する落とし穴4つ
一方で、「給料が下がって、やっぱり後悔した」という声もあります。
後悔の原因は、年収が下がったことそのものより、準備の足りなさにある場合も少なくありません。
① 額面だけを見て、手取りを計算しなかった
「年収が50万円下がる」と聞くと、想像しやすいのは年額です。
しかし、実際の暮らしに響くのは、毎月の手取りの減り方です。
実際、手取りを計算しないまま決めると、入社後の家計で驚くことがあります。
② 下がる理由が「なんとなく疲れた」で止まっていた
「今の職場が嫌だから」だけで転職すると、新しい職場で別の不満が出やすくなります。
なぜなら、何を手放したいのかが曖昧なままでは、転職先が合っているか判断できないからです。
③ 家族に相談しないまま決めた
収入の変化は、家族の生活にも関わります。
さらに、事後報告になると、収入が下がったこと以上に、信頼面で気まずくなることもあります。
一緒に暮らす人がいる場合は、決める前に数字を共有することが大切です。
④ 昇給や評価の仕組みを確認しなかった
入社後に「何年働いても上がらない」と分かると、モチベーションは大きく下がります。
給料が下がったあとにやる気が出ない、という悩みの背景には、見通しの不透明さがあります。
そのため、面接や内定後の面談で、昇給の時期や評価基準を聞いておくことが重要です。
転職後に気持ちが沈んでしまったときは、自分を責める前に、こちらの記事も読んでみてください。
👉 関連記事:転職して後悔した…40代の自信喪失は失敗ではない|3か月で立て直す行動計画と判断基準
「良かった」と「後悔」の分かれ目チェック表と手取りの逆算
ここまでの内容を、1つの表にまとめました。
自分がどちら側に近いかを、確認してみてください。
表2:「良かった」と言いやすい人/後悔しやすい人の違い
| 確認する項目 | 「良かった」と言いやすい | 後悔しやすい |
|---|---|---|
| 手放したい理由 | 残業・人間関係・体調など、具体的に言える | 「なんとなく疲れた」で止まっている |
| 手取りの把握 | 月の減り方を計算し、固定費と照らした | 額面の年収だけで判断した |
| 備え | 生活費に回せる貯蓄を確認した | 貯蓄の残りを見ていない |
| 家族との合意 | 決める前に数字を共有した | 決まってから伝えた |
| 先の見通し | 昇給や評価の仕組みを聞いた | 入社後に知った |
| 見直す時期 | 半年〜1年で振り返ると決めた | 決めていない |
チェックが「後悔しやすい」側に多く付く場合は、決断を急がず、準備を進める合図です。
手取りの減り方を月単位で逆算する
次に、手取りの逆算です。
年収が下がったとき、毎月の手取りはどれくらい減るのでしょうか。
表3:年収の下がり幅と、毎月の手取りの減少額(概算)
| 年収の減少額 | 月の手取りの減少額(目安) | 見直しを検討したい支出の例 |
|---|---|---|
| 30万円 | 約2万円 | サブスク、保険の特約 |
| 60万円 | 約4万円 | 通信費、食費、保険全体 |
| 100万円 | 約6〜7万円 | 住居費、車の維持費 |
(手取りは額面年収の75〜85%程度とされるため、約8割と仮定した概算です。賞与の有無や扶養人数、税・社会保険料により変わります)
自分のケースに当てはめてみる
この表を使って、自分のケースを当てはめてみてください。
たとえば、「月4万円の減少なら、通信費と保険の見直しで吸収できる」と分かれば、不安はかなり小さくなります。
逆に、見直せる支出が足りないと分かったなら、転職先の条件を再検討する価値があります。
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辞める・辞めないの手前で、考えが整理できていない方もいるはずです。
無料の事前面談で、今の状況を言葉にしてみるだけでも、判断の軸が見えやすくなります。
給料が下がったあとの立て直し方3ステップ
すでに給料が下がった人は、次の3つの順番で整えていきましょう。
① 固定費から見直す
まず手をつけやすいのは、毎月かかる固定費です。
通信費、保険、サブスクなどは、一度見直すと効果が続きます。
食費や趣味を削る前に、固定費を整理するほうが、気持ちの負担も軽くなります。
② 評価と昇給の仕組みを上司に聞く
「いつ、何を達成すれば給料が上がるのか」を、具体的に確認してみましょう。
そうすれば、目標が見えて、モチベーションも戻りやすくなります。
給料が下がってやる気が出ない人ほど、「ゴールの見えない状態」に疲れていることが多いのです。
③ 見直す時期を決める
転職して半年〜1年を、ひとつの区切りにしてみてください。
その時点で、次の3つを振り返ります。
- 時間や体力の余裕は増えたか
- 人間関係のストレスは減ったか
- 手取りの減少は、家計の範囲に収まっているか
2つ以上が改善されていれば、今の選択があなたに合っていた可能性があります。
逆に、どれも改善しないなら、次の転職を考える材料になります。
「転職してよかったのか」と悩み続けてしまうときは、こちらの記事が参考になります。
👉 関連記事:転職でずっと悩むのは普通?成功者が避ける6つの落とし穴と後悔しない決断基準
これから給料が下がる転職を考える人の進め方
まだ転職前の方は、次の3つの順番で進めると、後悔しにくくなります。
① 求人で、自分の相場と条件の幅を確認する
最初にやるべきことは、応募ではなく相場の確認です。
実際、同じ職種でも、会社によって給料の幅は大きく異なります。
求人を眺めるだけで、「この条件なら下がり幅は許容できる」という感覚がつかめます。
\まずは求人の相場を知りたい方へ/
今の会社に在籍したままでも、情報収集は始められます。
気になる求人を見て、今の職場と比べるだけでも、残る・動くの判断材料になります。
② 在職中に動き、収入の空白を作らない
退職してから探すと、焦りから条件を妥協しやすくなります。
一方、在職中なら、給料が下がる条件を冷静に比べられます。
収入が途切れない状態を保つことは、気持ちの余裕にも直結します。
③ 優先順位を3つに絞る
「残業を減らしたい」「人間関係を変えたい」「やりたい仕事に近づきたい」など、譲れないものを3つに絞りましょう。
全部を満たす職場は少ないため、優先順位があると判断が早くなります。
まとめ|給料下がったけど転職して良かったかは、準備と見直しで決まる

給料が下がっても「転職して良かった」と言えるかどうかは、下がった額だけでは決まりません。
手放したい理由が具体的で、手取りの減り方を把握し、見直す時期を決めている人ほど、納得しやすい傾向があります。
つまり、給料が下がる転職は、決して珍しいものではありません。
約3割の人が同じ経験をしています。
迷っている自分を、責める必要はないのです。
そして、大切なのは、数字と気持ちの両方を見て決めることです。
手取りの逆算表とチェック表を使いながら、今の自分に合う選択を探してみてください。
\20代で、給料と働き方の両方を相談したい方へ/
20代の方なら、条件の優先順位から一緒に整理してもらう方法もあります。
初回の面談では、最大2時間かけて話を聞いてもらえるため、迷いが多い段階でも利用しやすいサービスです。
よくある質問(FAQ)
- 給料はどれくらいまでなら下がってもいいですか?
-
一律の正解はありません。大切なのは、手取りの減少額を出し、固定費と貯蓄の範囲で生活が回るかどうかです。
表3のように月の減り方を出し、見直せる支出と照らして判断してください。 - 給料が下がることを家族に反対されたらどうすればいいですか?
-
反対される背景には、生活への不安があることが多いです。
手取りの減少額や、見直す固定費、見直す時期を数字で伝えると、話し合いが進みやすくなります。
感情だけでなく、数字を添えて説明するのがポイントです。 - 転職後に「後悔した」と感じたら、すぐ再転職すべきですか?
-
焦って決める必要はありません。
まずは半年〜1年を目安に、時間の余裕・人間関係・手取りの3点を振り返りましょう。
それでも改善がなければ、次の転職を検討する材料になります。 - 給料が下がったあと、年収は戻りますか?
-
職場によって異なり、必ず戻るとは言えません。
評価制度や昇給の仕組みがある職場なら、役割が広がるにつれて上がる可能性もあります。
入社前に昇給の時期や評価基準を確認しておくことが重要です。

